ハドリー・チェイスの傑作小説「悪女イヴ」を原作に、魔性の女にして娼婦エヴァを演じるのは、フランスの至宝と呼ばれるイザベル・ユペール。『エル ELLE』でアカデミー賞主演女優賞ノミネートも記憶に新しい。そしてエヴァによって堕ちていく美しい作家を繊細に演じたのは、『たかが世界の終わり』のギャスパー・ウリエル。ユペールは「ハドリー・チェイスは私のためにこれを書いたという感じがした。演じているということを忘れてしまう。」と言うほどのめり込んだ。
新進作家の美しい男ベルトランは、盗作した作品をもとにパリでのし上がっていく。当然2作目を期待されるがペンは進まず、出資者からは矢の催促が。
そこで執筆の為、アルプスはアヌシーの別荘に行くと、吹雪で立ち往生した男女が窓ガラスを割り中でくつろいでいた。腹を立てたベルトランは、バスタブにつかっていた娼婦エヴァに文句を言おうと近寄るが、一瞬で彼女に心を奪われてしまう。次作の題材という理由で、その後もエヴァに近づくが、冷たくあしらわれ苛立ちを募らせていく。ベルトランの婚約者はエヴァと彼の関係を疑い、彼の出資者までがエヴァに近づこうとする。そうして、周囲の人々も巻き込み、彼らは官能と破滅の道を突き進んでゆく――。